・白髪を染めてもすぐに目立ってしまう。
・定期的な白髪染めで、頭皮や髪がダメージを受けるのが心配。
・毎回の白髪染めに、美容院に行く時間とコストがかかる。
このような悩みを解消するための、『白髪染めとカラートリートメントの併用』の記事です。
私の長年の経験と知識を活かして、白髪に関する解決策を提供します。
ぜひ最後までお読みください。
このブログの運営・執筆者
2000年に北日本ヘアスタイリストカレッジを卒業後、盛岡市の美容院に就職。
美容院で豊富な実務経験を経て、ヘアカラーリストに。最新の白髪ケアについて発信しています。
- 美容師免許(国家資格)
- JHCA(日本ヘアカラー協会)ヘアカラー検定 ファイブスター取得
- HIKARIカップ モデルカット部門入賞歴あり
- JHCA主催ヘアカラーコンテストで受賞歴あり
- ウィービングコンテスト(ルベルコスメティックス)敢闘賞
- セミナー活動歴あり
※この記事では、白髪染めのことを「医薬部外品のアルカリカラーを使用した白髪を染めるカラー剤」と定義します。
※この記事で、カラートリートメントのことを「白髪用に調整されたカラートリートメント」と定義します。また、「白髪染めトリートメント」と同義とします。
※この記事で、併用派のことを「白髪染めとカラートリートメントの両方を併用している人」と定義します。
白髪染めとカラートリートメントの違い
「白髪染めトリートメント」と「白髪染め」は白髪を染めれますが、まったくの別物です。
成分や効果、染まり方が違います。
通常の白髪染めの成分
主な成分は3つ。
- アルカリ:キューティクルを開いたり脱色作用がある
- 過酸化水素:脱色と染色作用
- ジアミン:染料
作用する場所
脱色力があり、色のバリエーションが豊富。
カラートリートメントの成分
トリートメントの主な成分は2つ。
- 染料:主に白髪に色を付ける
- トリートメント成分:頭皮や髪に効果のある成分
作用する場所
脱色力がなく、刺激が少ない。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
そのメリットをうまく組み合わせることで、白髪の悩みを軽くできるかもしれませんね。
そのためには知識とコツが重要です。
まずは、併用派のメリット・デメリットを理解しておきましょう。
併用派の【5つのメリット】を解説!
併用する場合のメリットを5つにまとめました。
そのほかにもあるかもだけど、個人的にはこの5つです。
それぞれ簡単に解説していきますね。
➀白髪をなじませれる
よくお客様に、白髪を染めても2週間で気になると言われます。
ぼくのサロンではヘアカラー周期の平均は2か月ほど。約1か月以上、白髪が気になった状態を我慢しています。
カラートリートメントは手軽に白髪のケアができますよ。
白髪が少しでも気にならないようになったら、とてもうれしいですね。
②白髪染めの周期を長くできる
多くのお客様は白髪が気になった際に来店されます。
その周期がだいたい決まっていて、お客様自身で大体の周期を理解しています。
白髪がなじんだ状態なら、次回の白髪染めまで間隔が長くなるはずです。
③頭皮や髪のダメージを減らせる
極端ですが、ヘアカラーを年に12回と6回と比べると、後者が確実にダメージは少ないはずです。
もちろん、優れた美容院なら薬液のパワーを調節して、ダメージを少なくすることができます。
しかし、すべての美容院で薬液の調節をしているとも言えません。
頭皮や髪のダメージを確実に減らすなら、年1回でもカラーの頻度を減らすことです。
④長期的に白髪染めの回数を減らす
白髪染めは定期的に行います。
月に1回なら年12回。
2か月に1回なら年6回
白髪の気になる周期が長くなれば、長期的に白髪染めの回数を減らすことができます。
これは様々なメリットがあるでしょう。
⑤美容院にかかる時間やコストを減らせる
1回当たりの美容院のヘアカラー料金は約7000円です。※e-Stat 政府統計ポータルサイトを参照
リタッチであれば、平均価格は約5000円くらいです。
ヘアカラー周期が長く出来れば、以下のようなコストを減らすことができるかもしれません。
とはいえ、デメリットもあるので次の章で解説しますね。
併用派の【4つのデメリット】
併用派のデメリットは4つほど。
それぞれ簡単に解説しますね。
➀白髪染めほどしっかり染まらない
これはカラートリートメントの性質によるものです。
カラートリートメントはダメージのない白髪に、吸着しにくい性質をもっています。
しっかり染めたいといって、濃いカラートリートメントを使用すると、暗くなりすぎてしまうので注意が必要です。
②手間がかかる
白髪染めとは違い、一週間に数回染める必要があります。
なぜなら、色持ちも悪いと言われているからです。
③併用方法で白髪染めに影響が出る
カラートリートメントで染めた髪は、白髪染めでは明るく出来ないことが多いです
特に暗くなりすぎた髪は注意が必要です。
美容院で修正できない場合があるため、併用方法についてしっかり学びましょう。
④製品や色選びで白髪染めに影響が出る
製品や色選びは重要です。
製品によって、赤みが強いや寒色など特徴があるためです。
赤味が強いカラートリートメントを使用した後に、アッシュやグレー系の色味は難しくなってしまいます。
白髪染めの色味の系統を意識しましょう。
併用派の長期的な4つのベネフィット
併用派はその時だけの、メリット・デメリットだけではありません。
長期的な視点で見ると、もっと大きなベネフィットを得ることができます。
ここでは4つのベネフィットに注目します。
①白髪が目立たなくなり自信が湧く
- 白髪があるだけで、見た目年齢が4歳も老化
- 白髪があるだけで7歳老化したように感じ、7割が自信を失う
というアンケート結果も。
白髪はなくすことはできませんが、なじませることで自信につながるかもしれませんね。
②白髪染めの回数が減り、頭皮と髪が痛みにくい
ダメージが減ると、髪にツヤやハリが出ます。
すると、髪が扱いやすくなるでしょう。
頭皮のダメージが減ると、新しく生える髪の質も良くなるはずです。
長期的に髪質が改善されてきますね。
③エイジングの進行が遅くできる可能性がある
エイジングとは『年齢と共に起こる髪の変化のこと』です。
原因は様々ですが、白髪染めによる頭皮の酸化も原因の一つです。
白髪染めの周期が長くすることで、頭皮の環境を守ることができます。
その結果、エイジングの進行を防ぐことができるかもしれません。
④ジアミンアレルギーの予防になる可能性がある
ジアミンアレルギーとは『白髪染めに含まれるジアミン化合物に対するアレルギー反応』です。
これは今までアレルギーが無かった人が、突然に起こる可能性があるのです。
そして、ジアミンと接触頻度が多いほど、発症リスクが高まってしまいます。
そのため、適切なカラー周期を空けることが、発症リスクを下げる可能性があります。
ここまでメリット・デメリット、長期的なベネフィットについて解説してきました。
次の章から併用の際の、使い方や選び方など実用的なアドバイスをしていきます。
カラートリートメントの併用の際の4つのアドバイス
併用の際の4つのアドバイスは以下の通りです。
- あくまで白髪染めがメイン。カラートリートメントは補助的な目的で使用すること
- リタッチのみを推奨。全体染めはお勧めしない
- 色味は明るめを使用し、少し白髪が浮くのがちょうどよい
- リタッチが難しいなら見える部分だけ染めること
- 白髪染めの色味の系統に合わせよう(暖色系と寒色系)
順に簡単に解説しますね。
①あくまで白髪染めがメイン。カラートリートメントは白髪がなじむ色を
カラートリートメントは、白髪の染まりが弱いかもしれません。しかし、カラートリートメントで白髪を染めようとすると、濃いカラートリートメントになりがちです。
しかし、カラートリートメントで白髪を染めようとすると、ほぼ確実に中間から毛先が暗く仕上がります。
そして、白髪染めの際に
- 明るくならない
- ムラになる
- 希望の色味にならない
という原因になってしまいます。
あくまで、カラートリートメントは白髪をなじませる程度で使いましょう。
②リタッチのみを推奨。全体染めはお勧めしない
カラートリートメントで全体を染めると、確実に中間から毛先にかけて暗くなってしまうから。
なぜなら、健康な髪ほど色が入りにくく、ダメージした髪に色が入りやすい傾向があるためです。
つまり、新しく伸びた白髪は色が入りにくく、白髪染めした髪には色が入りやすいのです。
一度カラートリートメントで暗くなった髪は、美容院で再度明るくすることが難くなります。
あくまで、白髪染めがメイン。カラートリートメントはリタッチのみにしましょう。
③色味は明るめを使用し、少し白髪が浮くのがちょうどよい
カラートリートメントの色は明るめを選びましょう。
というのは、新しく伸びた白髪のみ塗布することは困難だからです。数ミリの白髪と一緒に白髪染め部分も染まってしまいます。
特に濃いカラートリートメントを使用すると、根元付近が暗く沈み込んでしまいます。根元付近が暗くなり、意図せぬグラデーションカラーのようになってしまいます。
これは、美容院で直そうとしても、なかなか直すことが難しいのです。
根元付近が暗くならないように、明るめの色を選びましょう。
④リタッチが難しいなら見える部分だけでもいい
もちろん、セルフでリタッチのみは難しいことが分かります。
その場合は見える部分、分け目やお顔周りの根元のみで問題ないです。
大事なことは2点。
- 自分から見える白髪をなじませること
- 次回の白髪染めの妨げにならないように、白髪をなじませること
これで、白髪染めの妨げをしないようにできると思います。
⑤白髪染めの色味の系統に合わせよう(暖色系と寒色系)
最後に、カラートリートメントの色味を白髪染めと合わせましょう。
カラートリートメントの色味は、大きく2つの系統に分かれます。
- オレンジ味がある暖色系
- グレーやくすみ感のある寒色系
暖色系のカラートリートメント後に、美容院で寒色系にチェンジは難しくなります。
美容師の色味を確認し、カラートリートメントの色味を合わせるとよいでしょう。
なんだか、少しめんどくさいと感じましたか?
白髪をなじませるには『白髪隠し』も有効です。
白髪隠しは毎日使用するので、手間がかかるかも
髪色にこだわりがあるような場合は、白髪隠しを検討してください。
注意点としては、白髪が染まらないため、毎日の使用が必要になります。
これは、髪色を変化させないというメリットでもあり、デメリットでもあります。
白髪隠しについては、こちらの記事でも紹介しています。
カラートリートメントの使い方(具体的な手順)
具体的な手順を5つのステップで解説しますね。
- シャンプーする
- 白髪の気になる場所からトリートメントを塗布する
- 指定の時間放置を置く
- 洗い流す
- 髪を乾かす
①はじめにシャンプーで髪を洗う
はじめにシャンプーします。
汚れがあると、カラートリートメントの効果が発揮されないからです。
特のセット力のあるスタイリング剤は、しっかり落としましょう。
お勧めは洗浄力のあるシャンプーです。
②白髪の気になる場所からトリートメントを塗布する
カラートリートメントは白髪が目立つ部分から塗布しましょう。
初めに塗布すると、そこが一番染まりが良くなるからです。
その後に、全体に均一に塗布していきましょう。
③指定の時間放置を置く
製品の指定時間おきましょう。
染まりをよくしたい場合は+10分ほど置くとよいでしょう。
④しっかり洗い流す
色水が出ないくらいまで、しっかり流しましょう。
シャンプーは不要です。
⑤髪を乾かす
しっかり乾かしましょう。
髪が濡れていると、色移りする可能性があります。
併用時の【2つの注意点】
併用派の方が、美容院で白髪染めをする際の注意点を解説します。
①白髪染めをする2週間前は、カラートリートメントの使用を控える
カラートリートメント色素を退色させるためです。
色素が残留していると、白髪染めがうまく染まらない場合があるからです。
カラートリートメントで暗く染まった髪に白髪染めするより、褪色した髪のほうが、色や明るさを再現することができます。
出来れば、白髪染めの2週間前はカラートリートメントを控えましょう。
②美容院でカラートリートメントの使用を伝えること
プロの美容師でも、見るだけでは何で染めているのかわからないからです。
すると、失敗のリスクが大きくなるからです。
カウンセリングの際に必ず伝えましょう。対策や薬剤選定を適切にできると思います。
次の章からお勧めのカラートリートメントを紹介します。
併用派におすすめの紹介
白髪染めとカラートリートメントを併用する方にお勧めの製品を紹介します。
【LPLP ルプルプ エッセンス】カラートリートメント
色のバリエーションが多く、様々な人に使いやすい。
放置時間も短く、手触りや効果もトップクラス。
LPLP essence ルプルプ エッセンス
カラートリートメント
おすすめ度:★4.0
染まり ★ 4.0 | 手触り 5 | コスパ 3.0 |
特徴
基本情報
放置時間 | 3分 |
色のバリエーション | ・アッシュブラウン ・ハニーブラウン ・ウォルナットブラウン ・チークブラウン ・エボニーブラック |
成分 | ・フコイダン ・25種の植物美容成分 ・6種類のオーガニックオイルとパールエキス |
容量 | 170g |
価格 | 3630円(Amazon参照) |
1g当たり | 21.3円 |
公式サイト:https://www.626214.com/product/essence-color-treatment/index.html
【CILEO シエロ】カラートリートメント
リタッチ用と全体用が選べます。
併用派の方はリタッチ用がお勧めです。
CILEO シエロ
カラートリートメント
おすすめ度:★3.66
染まり ★ 3.0 | 手触り 3.0 | コスパ 5.0 |
特徴
基本情報
放置時間 | 5分~10分 |
色のバリエーション | ・ナチュラルブラウン ・ダークブラウン |
製品バリエーション | ・リタッチ用 ・全体用 |
成分 | ・アルガンオイル ・ツバキオイル ・オリーブオイル |
容量 | 230g |
価格 | 1236円(Amazon参照) |
1g当たり | 5.37円 |
【PRIOR プリオール】カラーコンディショナー N
プリオール カラーコンディショナーは薄い色素が特徴です。
暗くなりすぎる心配が少ないです。
PRIOR プリオール
カラーコンディショナー N
おすすめ度:★3.3
染まり ★ 2.0 | 手触り 3.0 | コスパ 5.0 |
特徴
色味のタイプ
暖色よりのブラウン
基本情報
放置時間 | 5分 |
色のバリエーション | ・ブラウン ・ダークブラウン ・ブラック ・グレイ |
成分 | ・天然海藻エキス ・ミネラル&コラーゲン |
容量 | 230g |
価格 | 1408円(Amazon参照) |
1g当たり | 6.12円 |
Q&A
- Q白髪染めとカラートリートメントを併用すると、髪が緑になるのですか?
- A
ほとんどの場合は緑色に変色することはありません。
緑になると言われるのは、【感光性染料とアルカリ剤の反応】です。
感光性染料とは、光によって染まるタイプのカラー剤です。これは非常に注意が必要です。
また、まれに白髪染めの酸化染料とトリートメントの塩基性染料が化学反応を起こし、緑になる場合があるようですが、現在はほとんど聞いたことがありません。
- Q白髪染めトリートメントと美容院との併用ができない施術はある?
- A
注意するべき施術は存在します。
①熱を使う施術(縮毛矯正やデジタルパーマ)の後にカラートリートメントを使用すると、予期せぬ色に変わるリスクがあるようです。
②パーマはかかり具合や染まり具合が悪くなる場合があります。
- Q白髪染めの後にカラートリートメントをしてもいいですか?
- A
はい。次の白髪染めまでの期間、カラートリートメントを使用できます。
注意点として、カラートリートメントの色味が髪に残留したり、濃く入りすぎてしまうことがあります。その場合は白髪染めで明るくすることができないです。
適切な色味や製品、施術方法を行いましょう。
- Q美容院のつなぎとして使えますか?
- A
はい。使えます。次回の白髪染めまで、白髪をなじませることができます。
その際は、白髪染めの色の妨げにならないようなカラートリートメントを使用しましょう。
例えば、明るめの色味などです。そして、根元の白髪のみに使用をお勧めします。
- Q白髪染めトリートメントがよく染まる方法はありますか?
- A
あります。例えば以下の通りです。
・事前にシャンプーで汚れを取る
・時間を長くおく
・乾いた髪に使用する
・たっぷり塗る
・白髪が気になる場所から塗る
まとめ
白髪染めとカラートリートメントの併用についての解説してきました。
まとめると以下の通りです。
ぜひ効果的な白髪ケアのために、厳選したカラートリートメントをお試しくださいね。
また、 白髪ケアについてのさらなる情報は、他の関連記事をご覧ください。
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